カヌレは18世紀にフランスのボルドー地方の女子修道院で作られていたと言い伝えられている伝統的なお菓子です。
外見は特徴的で凸凹とした模様が付いています。カヌレを焼く特別な型に溝が入っているためです。
カヌレの名前の由来はこの型の溝。溝をつけるというフランス語のcannelerが名前の由来になっています。
高温のオーブンでじっくりと焼かれたカヌレは外側はカリッと、中身はもちっとしたコントラストのある食感で、バニラ、ラム酒の香りが美味しいお菓子です。
分量
5.5cmカヌレ型12個分
- 牛乳 500ml
- バニラビーンズ1本
- バター 25g
- 中力粉 125g(強力と薄力の半々でもOK)
- 砂糖 250g
- 全卵 1個
- 卵黄 2個
- ラム酒 50ml
- バニラエクストラクト小さじ1 又はバニラエッセンス数滴
作り方
バニラビーンズはさやを切って2つに割り、中に詰まっている種を取り出し、鍋に加えます。牛乳500mlとバター25gを鍋に入れ火にかけます。バターが溶けたら火を止めて下さい。
小麦粉125gと砂糖250gをボールに入れ軽くかき混ぜ、別容器で全卵1個卵黄2個をといておきます。ボールに先ほど温めた牛乳の半量をいれ混ぜ合わせ溶き卵を入れてしっかりと混ぜ合わせます。残りの牛乳、ラム酒50ml、バニラエクストラクト小さじ1を加え混ぜ、ラップをし冷蔵庫で12時間から48時間休ませます。
この間に小麦粉がしっかりと溶け、生地に含まれる泡が消え、バニラビーンズから香りが出てきます。
ラム酒、バニラと言えば青い海やカリブ海を連想しませんか?
フランスはカリブ海にマティニーク島とグアドループ島を所有しています。
そしてこのカヌレが作らていた18世紀にフランスはマダガスカルを統治し始めました。
そしてボルドーと言えばフランスでも有数の港町です。
カリブ海のラム酒、マダガスカルのバニラがボルドーに持ち込まれ、カヌレはボルドーで生まれるべくして生まれたお菓子なのです。
冷蔵庫から生地を取り出しゆっくりとホイッパーで混ぜ一度濾します。そのまま生地が常温になるまで置いておきましょう。18℃くらいまで上昇したら焼く準備のためにオーブンを温めておきます。
型に柔らかくしたバターかオイルをスプレーします。しっかりとオーブンが温まっていることを確認したら生地を流し込みます。
伝統的なレシピで作るなら蜜蠟とバターを溶かしたものを型の内側に塗ります。
220℃で15分、その後180℃に温度を落とし50分焼きます。
15分ほど焼いたところで表面が沸騰し、少し膨らんできますが温度を落としじっくりと焼くうちに少しずつ沈んでいきます。
まだ温かいうちに型から取り出しましょう。しっかりと冷めたら食べごろです。
保存する場合は密閉容器には入れずに常温で保存してください。翌日には少ししっとりとしますが外側はまだカリッとしています。
密閉容器や袋、ラップをして保存すると皮が柔らかくなってしまいますが、これはこれで美味しいカヌレです。
銅のカヌレ型の空焼き、手入れ
今回使用したカヌレ型は銅ですが、その他にもアルミ製、テフロン加工、シリコン製などの種類の物もあります。
銅は熱伝導率がよく綺麗な焼き色が付きます。ですが銅製の物は高価です。
しかも、きちんと手入れをしないと錆びることもあるので使った後は手入れを忘れないようにしなければなりません。
新品の銅製カヌレ型を買った場合生地を入れて焼く前に空焼きが必要となります。
型の内側、外側にサラダ油を塗り、200℃のオーブンで15分ほど空焼きします。
取り出し冷めたらキッチンペーパーで油をふき取りましょう。
カヌレを焼いた後は水洗いはせずにキッチンペーパーでふきあげます。その後型に油を薄く塗ります。