皆さん焼肉は好きですか?私は大好きです!肉を焼くといい香りがしますね、その香りで食欲が沸いてきますよね?なぜでしょう?これがメイラード反応によるものなのです。
たんぱく質が焼かれ組織が破壊され組織液が出てくる、肉汁ですね。この肉汁が熱を受けてメイラード反応が起き、褐色物質メラノイジンが生成させる。これが味や香りに影響すると言う訳なのです。
wikiによると、これを発見したのはフランス人の科学者ルイ・カミーユ・メヤール。
ヒトが火を使い始めた160万年前にメイラード反応と出会い、現代になって少しずつ仕組みが解明されてきました。その味、香りは本能的に人間の食欲のスイッチを入れるといっても過言ではないでしょう。
醤油や味噌もメイラード反応
常温でもこのメイラード反応は起きるのですが、長い時間がかかります。わかりやすい例は、しょうゆ、味噌など、大豆のたんぱく質が時間の経過でゆっくりとメイラード反応が起き、メラノイジンが生成される。
私たち日本人には欠かせない調味料にも含まれているメラノイジン。メイラード反応という言葉も仕組みも知らない時代にしょうゆや味噌を作り出し、日常の食生活で利用している日本人はすごいですね。
しょうゆや味噌を作るには長い時間がかかりますが、火を使い短時間でメイラード反応を起こさせる事もできます。
フランス料理でのメラノイジンの利用
前回記事のスュックとデグラッセで書いたように、メイラード反応によって生成されたメラノイジンの塊がスュックと呼ばれ、それを煮溶かしソースとして利用される。
その他フォンドヴォーもそうです。仔牛の骨や筋を焼きそれで出汁を取るのです。
そのメイラード反応のメラノイジンを数種類を組み合わせて料理を作る事もあります。パリの名物オニオングラタンスープは数種類を利用して作られています。
1.数日かけて作られた褐色のコンソメスープ
2.飴色に炒めた玉ねぎ
3.香ばしいフランスパン
4.その上の香ばしく焼けたチーズ
どおりでおいしい訳ですね。寒くなってくるとカフェのテラスでオニグラを食べる人が多くなってきます。寒い季節にテラスに座って熱々のオニグラ。贅沢ですね。
肉のローストとメイラード反応
それと肉をローストする前に表面を焼きますね。これも肉表面にメイラード反応を起こさせメラノイジンを作り出し、香りを出すわけです。
ここで1つの疑問が沸いてきます。どうせオーブンに入れれば表面が焼かれるのだからわざわざフライパンで焼く必要があるのか?
オーブンは180℃~200℃の熱風です。この中に手を入れてもすぐには火傷はしません。しかし180℃に熱したフライパンに手を触れれば一瞬で火傷してしまいます。熱伝導が全く違うのです。
メイラード反応を効率的に起こす為には一瞬で表面を焼く火力が必要なのです。
焼肉や焼き鳥は炭を使います。炭は遠赤外線を出してすさまじい火力となります。だからメイラード反応が起き香ばしくおいしいのです。
肉表面を焼かずにオーブンに入れ、表面にメイラード反応が起きてない肉は、香りが足りないばかりか、肉の嫌なにおいが出てしまう事もあります。
肉の焼けた香ばしい匂いの正体、理解できましたか?
関連アイテム