ご無沙汰しておりました、えもじょわです。
ここ一か月間レシピ本の出版の為に動画とブログを休んでおりました。
いまはまだ詳しい事は言えないのですがとある出版社の方からお話を頂き、写真もすべて撮り直し、レシピも作りやすいように改変しました。
えも本のくわしい発売時期についてはまた後日。
さて、夏ですから夏らしいジェノベーゼのパスタを作りました。
日本ではジェノベーゼと言えばバジルのペーストを思い浮かべますがイタリアではペスト、フランスではピストゥと呼ばれます。
分量 5~6人前
ニンニク 2片(お湯でゆでる)
バジルの葉 50g
松の実 50g(フライパンで炒る)
パルメザンチーズ 30g
EXバージンオリーブオイル 100ml + 50ml
塩、黒コショウ
作り方、材料の準備
ニンニクをゆでるのは辛みと強烈な匂いを弱めるためです。生のニンニクを食べてみればわかりますが辛いです。舌にピリピリきます。
一度火を通せば辛みと匂いがなくなります。お湯で2.3分ゆでましょう。
松の実はフライパンで香ばしく炒って冷ましておきます。
ジェノベーゼの味の核となるものがチーズです。
当然美味しいチーズを使えば美味しくなります。今回はパルメザンチーズのみを使いましたがペコリーノもよく使われます。
パルメザンチーズは24か月以上熟成されたものをおすすめします。
高いですけどうまみが断然ちがいます。チーズは長期熟成されるとたんぱく質がアミノ酸に分解されます。アミノ酸はうまみそのものです。
パルメザンチーズを削っていると時々ジャリジャリしたものが出てきますがこれがアミノ酸の結晶です。写真のチーズの断面に白いものが写っていますがこれがうまみの塊です。
色の良いジェノベーゼを作るにはどうすればよいか?
熱を加えない
ブレンダーに入れて攪拌していると少しずつ温度が上がってきます。
バジルに継続的に熱が加えられると黒くなってきますから、ブレンダーやフードプロセッサーを冷凍庫でしっかりと冷やしておくとこれを防げます。
バジルを一度茹でる
は?さっきと言ってることがまったく逆じゃないか!と思いました?
バジルの緑の成分はクロロフィルです。クロロフィルは酸化によって黒くなります。
酸化をくい止める方法が短い時間の加熱です。
加熱後はすぐに冷水に移して冷やします。ブレンダーに入れるときは水を良く絞ってからいれます。
あとはブレンダーに入れてペーストにします。僕は動画の構成上乳鉢を使いました。日本のすり鉢でも出来ると思いますよ。
根気があればね。
あ、でもおすすめはしません。
バジルを一度茹でてから作ると鮮やかな緑色に。 ぜひ試してみてください。
ジェノベーゼのパスタ
イタリアではジェノベーゼのパスタはじゃが芋とインゲンと一緒に食べられることが多いようです。
それに習って作ってみました。使ったのはリングイーネです。
じゃが芋は1cmの厚さに切ります。パスタと一緒の鍋でじゃが芋もインゲンも茹でてしまいます。
パスタは70~80g、じゃが芋50g、インゲン30g、ジェノベーゼはティースプーンで3杯くらいが一人前の目安です。
ゆで時間はじゃが芋は7分、インゲンは4分かかりますのでそれを計算してパスタと一緒にゆであがるように鍋に加えていってください。
忘れずにゆで汁に塩も加えてください。塩加減は1%程です。2リットルのお湯なら20gです。
パスタのお湯は海水くらいの塩分濃度で...と言われる事もありますが海水は塩分3.5%くらいあるのでこの濃度の塩分でパスタを茹でたらしょっぱすぎて食べれません。
ゆであがったらジェノベーゼとあえます。必要なら追いオリーブオイルも。そのままだとパサパサする事もあるのでゆで汁かお湯を少し加えて混ぜてください。
出来上がり。
ジェノベーゼを食べると懐かしい味がするんです。祖母の手料理を思い出します。
祖母はイタリア人ではありません、日本人です。
僕は田舎の生まれなので夏になると山菜のわらびが食卓に上がりました。あく抜きして茹でただけの物ですが。祖母がたまにわらびのたたきを作ってくれたんです。
僕の記憶の中ではこれがジェノベーゼとそっくりな香りと味なんですよね。
わらびのたたきは茹でたわらびを包丁でたたいてペーストにします。味付けは味噌と山椒の若葉(木の芽)。
この山椒の葉がバジルと似ている香りなんです。青い葉の香りといいますか。
味噌はパルメザンチーズのようなコクがありますから、わらびのたたき=ジェノベーゼと頭の中で結びついてしまっているんですよね。見た目も似ていますし。
わらびのたたきといっても山形県人か秋田県人しか知らないかな~