マカロンって難しいお菓子ですよね。僕も失敗を重ねて色々な分量、レシピを試すうちに、沢山のポイントや注意点がどんどん増えていきます。
この記事ではまず、マカロンらしい見た目とピエを出す事に焦点を当てて説明していきます。
ピエというのはフランス語で足の意味です。マカロンの下のフリルの様な部分をピエと呼びます。
マカロンを成功させるための最大のポイント3つ。
1.マカロナージュ
マカロナージュというのはメレンゲと粉類を混ぜ合わせる時にメレンゲの泡をある程度潰しながら混ぜていく作業の事を言います。
生地にツヤが出て、ゆっくりと生地が広がっていく固さ、ゴムベラですくって落とした時に生地がつながって落ちていく固さになるまでマカロナージュします。
マカロンのピエが出ないなどの失敗をしたときにマカロナージュが最適ではなかったのではないかと考えることがよくあるんですが、最適なマカロナージュかどうかは焼成後ではなく、絞り出し後に判断をするようにしてください。
最適なマカロナージュが出来れば絞り出した時に角が自然と消え、何もしなくても綺麗な円形に広がります。
マカロナージュが足りないと厚みのあり過ぎるコロッとしたマカロンになり空洞化も激しくなります。
逆にやり過ぎると絞り出した時にだらしなく広がり過ぎ、薄っぺらいマカロンになり、ピエが小さくなります。
2.乾燥
乾燥の目安として生地の表面を指で押した時に全く張り付かず、指で軽く撫でる事が出来る位に乾燥させます。ここが大変重要です。
しっかり表面が乾燥していないと焼いた時に生地全体が膨らんでしまいピエが出ません。
マカロンのピエが出ない原因で一番多いのが乾燥不足です。マカロナージュが最適でも乾燥不足であればピエも出ません。マカロナージュより乾燥の方がマカロン作りには大事です。
湿度の高い雨の日は数時間経っても乾かない事がありますから晴れの日に作る事をお勧めします。そして乾燥を早める為にエアコンの風が当たる場所に置くなどするといいでしょう。湿度や温度によって変わりますが1〜3時間位かかると思います。
僕はオーブンに送風機能があるので絞り出した生地をオーブンに入れ、扉を開けっ放しにしてファンを回し乾燥させます。約30分で乾燥が完了します。
3.焼き時間、温度
焼き温度はファン無しで160°C、ファン有りで140°Cを目安として下さい。ご自宅のオーブンによって温度に差が出たり、焼きムラが出たりするので10°C上げたり下げたりの調節が必要かも知れません。
時間は12〜13分です。
160℃で5分 140℃で8分焼いてみたこともありますが、火の当たり所によっては焼き色が付いてしまったり、焼き過ぎてメレンゲがネチネチとした食感になり、歯切れの悪いマカロンになりました。
口に入れた時にカシュ、ホロッと崩れるようなマカロンの食感は分量の差よりも焼成の差が大きいと思います。
抹茶のマカロンの分量
マカロンクッキー直径4cm 40枚 マカロン20個分
- 卵白 70g
- グラニュー糖 60g
- アーモンドパウダー 75g
- 粉糖 75g
- 抹茶 4g
抹茶バタークリーム
- 卵黄 2個
- グラニュー糖 50g
- 水 30g
- 無塩バター 100g
- 抹茶 3g
作り方
まずはアーモンドパウダーと粉糖をフードプロセッサーやジューサーに入れ、より細かい粒に砕きます。うちにはジューサーがないのでフードプロセッサーを使いましたがより細かく粉砕するならジューサーの方がおすすめです。どちらも無い方は振るったアーモンドパウダー75gをご用意ください。
粉類をふるってボールに入れて準備をしておきます。ここで絞り袋、口金(口径1cm位)絞り出すクッキングシートやシリコンパットを用意しておきましょう。
粉糖はコーンスターチの入っていないものが推奨されてますが今回使ったのはスターチが2%含まれている粉糖です。
卵白を綺麗なボールに入れ泡立てながらグラニュー糖を少しずつ加えしっかりとしたメレンゲを作ります。
マカロンには常温で数日放置し水様化した卵白を使うと良いという事も言われてはいますが必須という訳ではありません。水様化しコシの無い卵白は泡立ちが早くなるという特性を持ちますがコシがないので安定性に欠けます。
割ったばかりの新鮮なコシのある卵白は泡立ちは遅いですがしっかりとホイップすればきめ細かいメレンゲを作ることができ、安定性に優れたメレンゲがつくれます。
粉類を入れ始めはメレンゲを切るように粉類と馴染ませ、ある程度混ざってきたらボールの底や側面に撫で付けるようにしてマカロナージュします。
絞り袋に入れ絞り出します。この時の注意点は水平な場所で、しわの無いクッキングシートに絞り出す事。少しでもしわがあると綺麗な円形に広がりません。だからこそシルパットを使うことを強くおすすめします。しわもなく、くっつき辛く、熱伝導もよく、繰り返し使えるので大変便利です。
絞り終えたらつまようじなどを使って表面の泡を潰しましょう。テーブルに何度か天板ごと打ち付けて泡を抜く方法もありますが円形の生地がゆがんだり、広がって薄くなったりします。この方法はコシの強いイタリアンメレンゲで作られた生地の場合に適した方法だと思います。
絞り終えたら表面をしっかりと乾燥させましょう。軽く指で撫でられるくらいです。乾燥が足りないとこんな焼き上がりになります。
オーブンはファンなし160℃、ファン有り140℃で12~13分焼きます。焼きあがったら常温で冷まします。必ず天板に乗せて焼いてください。
網の上に乗せて焼き上げると生地のふくらみが均一にならなかったり、割れてしまったり、底が生焼けだったりします。
下の写真は綺麗に焼きあがった同じマカロン生地をしわのあるクッキングシートに絞り出して、天板に乗せずに焼いてみたものです。生地の膨らみの暴れ方がものすごいです。
しかも同じ温度で同じ時間焼いたのに天板がないために底部分へ熱がうまく伝わらなかったのかうまく剥がすことができませんでした。
抹茶バタークリーム
バターを常温に戻しておきます。冬の時期は少し暖かいところに置いておきましょう。
グラニュー糖と水を鍋にいれ120℃まで加熱します。卵黄をある程度ホイップしたら少しずつシロップを加えながらホイップを続けます。温度も下がり、白くもったりとして来たらバターを少しずつ加えます。
振るった抹茶の粉末にバタークリームを少量加え練り合わせ、残りのバタークリームを加えよく混ぜ合わせます。
マカロンをシートから剥がし抹茶バタークリームをサンドしたら密閉容器やラップで包むなどして24~48時間保存します。寝かせることでマカロンがしっとりとし、マカロンの外側はカシュっと、中はホロッっと崩れる食感になります。
もしも歯にくっつく様なネチっとした食感の場合は焼き過ぎが原因なので温度を低くするなどして対応しましょう。
このレシピに役立ちそうな関連アイテム
バラとラズベリーのマカロンの分量
- アーモンドパウダー 40g
- 粉糖 50g
- 卵白 35g(Lサイズの卵約1個分)
- グラニュー糖 15g
- 着色料
- ホワイトチョコ 50g
- バター 20g
- レモン汁 1/4個分
- ラズベリーピューレ 25g
- ローズシロップ
作り方
1.アーモンドパウダーと粉糖をふるいます。特にアーモンドパウダーは大きな粒が混入している事が良くあるのでふるって取り除きます。
ふるいにかける前にフードプロセッサーで挽いて粒を細かくしておくと良いです。
粒が細かいとマカロンの表面がつやつやに仕上がります。
2.メレンゲを作る。
卵白は新しいものより古いものの方が泡立ちが早いですが、特に液状になった古い卵白にこだわる必要はないでしょう。新鮮な卵白の方が少し泡立てるのに時間がかかりますがコシの強いメレンゲになります。
メレンゲを作る際は油分が大敵。綺麗なホイッパーとボールを使うようにするのが基本です。油分があると泡立たなくなるので気を付けてください。
3.食紅などで色を付ける。粉類を加えると色が薄くなり、焼きあげるとまた色が薄くなるので、ここでは仕上げたい色より少し濃い色に着色しておきましょう。
4.メレンゲの仕上がりはホイッパーですくえて、角がしっかりと立つまでしっかり泡立てます。
5.粉類を加える。動画では2度に分けたましたが1度に加えてしまっても問題はありません。
6.ゴムベラで生地をボールにこすりつけるようにして泡を潰し、艶のあるゆっくりと流れ落ちる固さに調節します。これをフランス語でマカロナージュと言います。
マカロナージュが足りないと絞った時に丸く広がりにくく絞り跡が残ります。
逆にマカロナージュをしすぎると生地がやわらかくなりすぎて薄く平たいマカロンになるし、焼成後べたつき、クッキングシートにくっついて剥がしにくくなります。
目安として生地がゆっくりと広がって、跡が少しずつ消えていく固さが望ましいです。
7.シリコンシートやクッキングシートに絞り出します。
マカロナージュがうまくいけば、絞り出した時に丸く広がり、角が自然と消えます。
必ず平らな所に絞り出さないと綺麗な丸にならないので注意してください。
均等に絞ることが難しいという人はマカロンシートを利用するのもいいと思います。
8.絞り出したら爪楊枝などで表面の泡を潰します。
9.しっかりと乾燥させましょう。
最低1時間は必要。表面を触ってみて指に生地が付かなくなるまで、軽く表面を撫でられるくらい乾燥させましょう。
乾燥が足りないと焼いたときにマカロン生地の全体が膨らんだり、表面にヒビが入ったり、ピエが出なかったりするのでかなり重要な工程です。
10.乾燥させている間にバラとラズベリーのガナッシュを作ります。
ホワイトチョコとバターを湯煎で溶かし、レモン汁、ラズベリーピューレ、ローズシロップを加えて混ぜます。
30分ほど冷蔵庫で冷やせばちょうど良い固さになります。
ガナッシュを作らずそのままラズベリージャムにバラの香りを付けたり、ローズジャムをそのままサンドするのも一手。
11.焼き加減はファン無し160℃で12~13分。コンベクション機能、ファン有りの場合は140℃12~13分ほどです。
各オーブンによって焼き上がりが変わってくるので±10℃上げたり下げたり調節してください。
12.常温まで冷めたらマカロン裏返し、ガナッシュをサンドします。
クリームなどをサンドして乾燥しないように24~48時間保存することで生地がしっとりとし、やわらかい食感になります。
道具 ベーキングシート シルパット 295×205mm ←小さめサイズ