客が店員に土下座強要したとか、お茶を投げつけたとか、子供が騒いでるから注意したら母親が「こっちは客なのよ!」と逆ギレした、などのニュースを最近良く目する。
これはもちろん、ごくごく一部の人だけの話なのだが。
日本とフランスの違い
日本では客側から店員への挨拶、感謝を言う事を必要とされない環境になってしまっているのがこの問題の一つだと思う。
挨拶や感謝がないという事は相手を一人の人間として尊重していないという事へと繋りやすいのではないだろうか。
私がフランスに来てとても驚いたのが客の礼儀正しさ。店員に対する挨拶や言葉使いが丁寧という事。
来た当初はこの事に気付かなかったので、沢山嫌な思いもした。
「フランスの店員は態度悪いなぁ」なんて思ってたが全く逆。
私が店員に対して礼儀正しくなかった。いや、当時はフランス語があまり出来なかったからBonjourやMerciすら堂々と言えなかったのだ。
フランスでは挨拶が無い客は客として扱われない。
これはフランス語が出来ようが出来まいが構わず適応される。
店に入って店員と目があったら、こんにちは「Bonjour」
店員に初めて話しかける時も「Bonjour」
レジに商品を置いて会計してもらう時「Bonjour」まずは挨拶から。
また料理や商品を運んで来てもらったら、ありがとう「Merci」
会計して帰る時は「ありがとう、良い1日を」店員からは「ありがとう、あなたもね」と言う受け答えが一般的だ。
フランス人は英語で話しかけられると嫌な顔をするなどの話を聞くがこれは少し間違っている。かなり多くのフランス人は英語を理解できる。
挨拶がなかったから嫌な顔をしているだけの場合が多い。
英語で話しかける時でもまずはじめにこちらからフランス語であいさつをするのが重要である。
フランスでは小さい頃から挨拶をすることの重要性を親に徹底的に教え込まれる。
だが、日本のコンビニ、スーパー、洋服屋などでのやり取りはどうだろうか。
店員「いらっしゃいませこんにちは。」
客「…」
客「...(無言でレジに商品を置く)」
店員「いらっしゃいませ。」
店員「ありがとうございました。」
客「…」
これはやり取りが完全に一方通行ではないだろうか?
そもそも挨拶というものは双方が行うべき行為だ。
相手に挨拶をし、尊重するからこそ自分も尊重される。
当然すべての日本人がこういうやり取りをするわけでない。挨拶、感謝を言う方も多くいる。
実際日本の飲食店では「ごちそうさまでした」と言って帰る方がほとんどである。
「いらっしゃいませ」か「こんにちは」か?
本来「いらっしゃいませ」は客が店に「ごめんください」と入った時に、店側が「いらっしゃいませ」と使っていたであろう言葉が、今や店員の挨拶の決まり文句となっている。
追記 そもそもいらっしゃいませはこんにちはと言う挨拶に対して、客人をもてなす、”おもてなし”としての意味合いを多く含んでいる言葉である。
しかし残念ながら単なる掛け声としていらっしゃいませを使ってしまっている”もてなす側”もいる事は確かである。
心無い使い方によってその言葉の力を弱めてしまったのだろうか。
いらっしゃいませに対する返答は....こんにちはと返すべきだろうか?
では「いらっしゃいませ」から「こんにちは」に変えてみてはどうだろうか?
「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」の方が返事もしやすく、何より親近感が湧く。
だが客が店に入ってくるなり遠くから「こんにちは」と言っては意味がない。
注文時や会計時に相手の顔を見て言うべきだ。
それでこそ店員が相手を尊重しているという事が伝わるのではないか。
そして客側も店員に初めて話しかける時や、会計時にはこちら側からまず挨拶したいものだ。
なぜなら平等な人間なのだから。
これはいかなる理由であろうと崩す事の出来ないもの。
その上に客と店員の関係があり、また上司と部下の関係がある。
上司や会社側が部下、社員を人間として尊重するのは忘れてはならない。
これは当たり前の事だが、この事が疎かになっている為にブラック企業が後を絶たないのも一つの原因ではないだろうか。
また、酒の席で上司が部下に飲めと強要したり、部下が上司の席へ酒を注ぎに行かないのは無礼だ、などは隷従的で、とてもくだらない習慣ではなかろうか。
良い習慣、伝統は残すべきだが、悪い習慣、伝統は一刻も早く無くすべきではないか。
話が脱線してきたので今日はこの辺で。
単なる料理人の単なる独り言に最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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